保存料の使用目的と種類

食品添加物

保存料とは、食品の腐敗や変敗が進まないよう微生物の増殖抑制し、保存性を高める添加物です。

殺菌剤や日持ち向上剤とは異なります。殺菌剤は、微生物を殺す目的の添加物で、日持ち向上剤は保存性を数日程度延長させるものです。

保存料として使用される主な物質を紹介します。

安息香酸、安息香酸ナトリウム

カビ、酵母、好気性菌の増殖を抑制する効果があります。食品のpHが低い(酸性が強い)ほうが効果が強くなります。

ソルビン酸、ソルビン酸カリウム(ソルビン酸K)

抗菌力はあまり強くないですが、カビ・酵母・好気性菌に一様に増殖を抑制する効果があります。無味・無臭で食品の味に影響を与えません。幅広くさまざまな食品に使用されています。

しらこたん白抽出物(しらこたん白、しらこ分解物、プロタミン、核蛋白)

しらこ(白子)とは魚の精巣のことです。サケの精巣(しらこ)の中にあるプロタミンやヒストンというタンパク質を抽出したものが保存料しらこたん白として用いられます。
熱安定性に優れています。

プロピオン酸、その塩類

プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム

チーズ、パン、洋菓子に限って使用が許可されています。パン酵母に対してあまり影響を及ぼさないので、パンに加えるのに都合のよい添加物です。
(プロピオン酸Ca)(プロピオン酸Na)

ポリリジン(ε-ポリリジン)

さまざまな細菌の増殖を抑制しますが、カビに対しては効果が弱いとされています。
放線菌という細菌の一種の培養液を精製して得られます。

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