防かび剤・防ばい剤の使用目的と種類。かんきつ類などへの防かび剤の表示

食品添加物

防かび剤とはその名のとおり、かびの発生を防止する食品添加物です。

オレンジ・レモンなどのかんきつ類、バナナなどに、長時間の輸送貯蔵中にカビの発生を防止するために使用されます。

防かび剤と防ばい剤の違い

防かび剤と防ばい剤は、同じものです。

漢字で書くと「防黴剤」なのです。「黴」は訓読みすると「かび」、音読みすると「ばい」となりますので、

  • 訓読みすると→防かび剤(ぼうかびざい)
  • 音読みすると→防ばい剤(ぼうばいざい)

になります。読み方が違うだけで同じ意味です。

防かび剤の物質

防かび剤の物質としては、

  • イマザリル
  • オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム
  • チアベンダゾール
  • ジフェニル
  • フルジオキソニル

があります。

防かび剤が使用される食品と使用基準

上記した物質は、使用することができる食品と、使用基準として残存量の基準があります。

物質名対象食品使用基準(最大残存量)
イマザリルかんきつ類(みかんを除く)、バナナに使用・かんきつ類(みかんを除く) 0.0050g/kg
・バナナ 0.0020g/kg
・オルトフェニルフェノール
・オルトフェニルフェノールナトリウム
かんきつ類に使用オルトフェニルフェノールとしての最大残存量 0.010g/kg
チアベンダゾール(TBZ)かんきつ類、バナナに使用・かんきつ類 0.010g/kg
・バナナ 0.0030g/kg
・バナナの果肉 0.0004g/kg
ジフェニルグレープフルーツ、レモン、オレンジ類の貯蔵又は運搬の用に供する容器の中に入れる紙片に浸潤させて使用0.070g/kg未満
フルジオキソニルあんず、おうとう、かんきつ類(みかんを除く)、キウィー、ざくろ、すもも、西洋なし、ネクタリン、びわ、マルメロ、もも、りんごに使用・キウィー、パイナップル(冠芽を除く)0.020g/kg
・かんきつ類(みかんを除く) 0.010g/kg
・ばれいしょ 0.0060g/kg
・アボカド(種子を除く)、あんず(種子を除く)、その他 0.0050g/kg
参考:厚生労働省 ”食品 添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号) 第2 添加物(平成29年11月30日現在) F.使用基準”

防かび剤の表示

防かび剤が使用されたオレンジ・レモンなどのかんきつ類、バナナなどを販売する際には、表示をするように決められています。

バラ売りであっても、防かび剤を使用したことがわかるように、陳列棚や陳列用容器、値札や品名札に表示するよう指導されています。

「防かび剤」の後に()をつけて、「防かび剤(イマザリル)」といった具合に表示されます。

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