着色料の使用目的と種類

食品添加物

着色料は、食品に色をつけ、色調を調整する食品添加物です。食で大事なことは味だけではなく、見た目も大きな要素です。

自然の状態の色は長期間にわたって維持することが難しいため、食品を加工するときに着色料を使って色をつけたり調整することが行われています。

色を着色することは昔から行われており、現在多くの種類の添加物が使われています。

ただ、着色により品質を良く見せてはいけないという考えのもと、着色料は、コンブ類、食肉、茶、ノリ類、ワカメ類に使用してはならないという制限があります。

甘味料として使用される主な物質を紹介します。

アナトー色素

ベニノキの種子の被覆物から得られた物質で、ノルビキシン及びビキシンを主成分とした黄橙色の色素です。ハム、ソーセージ、マーガリン、チーズなどに使用されています。

ウコン色素

ショウガ科ウコンの根茎から抽出して得られた、クルクミンを主成分とする鮮やかな黄色の色素です。カレー粉の色はウコン色素によるものです。農産加工品、パン類などに使用されています。

カラメル色素

製法により、カラメルⅠ、カラメルⅡ、カラメルⅢ、カラメルⅣがあります。

カラメルⅠは、炭水化物を加熱して製造したもの

  • カラメルⅡは、亜硫酸化合物を加えて加熱して製造したもの
  • カラメルⅢは、アンモニウム化合物を加えて加熱して製造したもの
  • カラメルⅣは、亜硫酸化合物とアンモニウム化合物を加えて加熱して製造したもの

清涼飲料水、醤油、漬物、煮物などに使用されています。

クチナシ色素

クチナシ黄色素、クチナシ青色素、クチナシ赤色素があります。

アカネ科のクチナシの果実を抽出したり、加水分解して得られるものがクチナシ黄色素です。カロチノイド系の物質であるクロシンとケルセチンを主成分としています。

クチナシから得られたイリドイド配糖体とタンパク質分解物の混合物に、酵素(β-グルコシダーゼ)を作用させて作られるものがクチナシ青色素です。

クチナシから得られたイリドイド配糖体のエステル加水分解物とタンパク質分解物の混合物に、酵素(β-グルコシダーゼ)を作用させて作られるものがクチナシ赤色素です。

コチニール色素

カイガラムシ科エンジムシの感想物から抽出される赤~暗赤色の色素です。カルミン酸が主成分です。
耐熱性、耐酸性に優れています。

カロテン

デュナリエラの全藻から得られたデュナリエラカロテン。β-カロテンが主成分です。

ニンジンの根から得られたニンジンカロテン。カロテンを主成分です。

アブラヤシの果実から得られたパーム油カロテン。カロテンを主成分です。

黄色~橙色~赤褐色の色調で、バターやマーガリン、果汁飲料などの着色のために使用されます。食品に表示される場合、カロテン、カロチン、カロテノイド、カロチノイドなどの表示も可能です。

カロテノイドは、β-カロテン、α-カロテン、リコピン、アスタキサンチンなどの総称です。ですので、カロテンは、カロチノイドと表示することができます。

トウガラシ色素

トウガラシの果実から得られたカプサンチン類を主成分とする色素です。

食品に表示される場合、パプリカ色素、カロテノイド カロテノイド色素などの表示も可能です。

ベニコウジ色素

ベニコウジカビの培養液から得られたアンカフラビン及びモナスコルブリンを主成分とする色素です。
赤色の着色料で、タンパク質によく結合するので、カニ風味かまぼこ等の水産ねり物によく使用されます。

種類の異なるベニコウジカビからは、キサントモナシン類を主成分とするベニコウジ黄色素が得られます。

ベニバナ色素

ベニバナ黄色素とベニバナ赤色素があります。

キク科ベニバナから抽出される色素です。花から水で抽出したものがベニバナ黄色素で、得られたサフラーイエロー類を主成分とする色素です。

ベニバナ赤色素は、花を発酵させるか、酵素処理によって得られたカルタミンを主成分とする色素です。

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