食品添加物の種類は何がある?

食品添加物とは、食品衛生法の定義では「食品添加物とは、食品の製造の過程でまたは食品の加工、保存の 目的で食品に添加、混和、浸潤、その他の方法で使用するもの」です。

食品添加物は、食品を構成する食材そのものではないですが、その食品を製造するために使用されるものです。

食品添加物を使う目的

製造をするために必要なもの、食品の保存に必要なもの、栄養を強化するもの、色をよくするもの、味やにおいをよくするものなどがあります。

食品をつくるための材料は、原材料と食品添加物に分かれます。たとえば、「かまぼこ」の原材料と食品添加物には、

原材料:魚肉、でん粉、砂糖、食塩

添加物:調味料(アミノ酸)着色料(コチニール色素)

があります。添加物の調味料は味をととのえるものです。着色料は色をつけるものです。

食品添加物は使用を許可されたもののみ使うことができます。原則として食品衛生法に基づいて厚生労働大事の指定を受けた添加物のみを使用可能で、それ以外は使用することができません。

食品添加物の種類

その法令上の分類としては、以下のものがあります。

  • 指定添加物
  • 既存添加物
  • 天然香料
  • 一般飲食物添加物

指定添加物

食品衛生法第12条に基づき、厚生労働大臣が使用してよいと定めた食品添加物です。食品衛生法施行規則別表第1に収載されています。

指定添加物リスト(規則別表第1)(令和4年10月26日改正)には474品目の指定添加物が記載されています。

既存添加物

天然の添加物で、動物や植物、細菌やカビから抽出したものです。長い食経験があり、使用、販売が認められており、既存添加物名簿に357品目が存在します。(2022年12月26日現在)

パーム油カロテンはアブラヤシの果実から得られたもの、ベニコウジ色素は、カビの培養液から得られたものです。

指定添加物のほか、わが国において広く使用されており、長い食経験があるものは、例外的に使用、販売等が認められており、既存添加物名簿(平成8年厚生省告示第120号)に収載されています。

天然香料

動植物から得られる天然の物質で、食品に香りを付ける目的で使用されるものです。オレンジ香料やバニラ香料があります。

一般飲食物添加物

一般に飲食に供されているもので添加物として使用されるものです。

梅干しに使用するシソがよい例です。シソはそのまま食材として用いられますが、色をつけることを目的として添加物としても使用されますね。

参考:厚生労働省 ”食品添加物”

添加物の基準

食品添加物の使用基準として、使用できる食品や使用量が定められています。

動物実験の結果から、ヒトが一生食べ続けても安全な値を計算し、その一日あたりの量のことを「一日摂取許容量」といいます。

食品添加物の使用基準は、この一日摂取許容量を超えることがないように定められています。

参考:公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 ”各添加物の使用基準及び保存基準 (令和4年10月26日改正まで記載)”

食品添加物の表示

普段の生活では、食品のパッケージに表示された添加物を目にすることがあると思います。

添加物の食品表示基準で定められた表示方法から、どのような添加物があるのか具体的に知ることができます。

表示方法として、

  • 物質名を記載する
  • 用途名と物資名を併記する
  • 一括名を記載する

の3つがあります。

物質名を記載する

物質名を記載する添加物としては、栄養強化剤として「ビタミンC」、日持ち向上剤として「グリシン」、消泡剤として「シリコーン樹脂」といったものがあります。

用途名と物質名を併記する

添加物の使用目的としては、製造をするために必要なものがある。その他に、食品の保存に必要なもの、栄養を強化するもの、色をよくするもの、味やにおいをよくするものなどがあります。

消費者の選択に役立つよう、何のために使用しているのかわかるように、物質名だけでなく用途名をあわせて表記する添加物があります。

以下の8種類の用途に使用される添加物が対象です。

  • 甘味料 甘味を与えます。
  • 着色料 色をつけ、色調を調整します。
  • 保存料 保存性をよくします。
  • 増粘剤 粘性を増加させます。
    安定剤 粘性を高めて成分を安定させます
    ゲル化剤 液体のものをゼリー状に固めます
    糊料 増粘剤・安定剤・ゲル化剤の別名および総称です。
  • 酸化防止剤 酸化を防止します。
  • 発色剤 食品を鮮やかな色にします。
  • 漂白剤 有色物質を無色にしたり、鮮明な色調にととのえます。
  • 防かび剤・防ばい剤 かびの発生や増殖を防止します。

上記のほかにもその他の目的で使用される添加物も多数あります。それらを便宜上まとめて製造用剤と呼びます。製造用剤は、物質名で表示されることになります。

厚生労働省Webサイトで見ることができる指定添加物や既存添加物の一覧表にも、製造用剤と記載されています。

物質名で記載する添加物の例として書いた、栄養強化剤として「ビタミンC」、日持ち向上剤として「グリシン」、消泡剤として「シリコーン樹脂」などがそうです。これらは、8種類の用途に分類されていないので物質名だけの記載になります。

一括名を記載する

同じ作用、効果をもつ複数の添加物を使用する場合、表示するためのスペースが多く必要になります。

たとえば膨張剤は、炭酸水素ナトリウム、グルコノデルタラクトン、硫酸アルミニウムカリウムといったものがあります。

複数の物質をすべて食品のパッケージに表示するのは、多くのスペースが必要となるため難しいです。

そこで、それらの添加物をひとまとめにして表示する方法があります。

これは一括名と呼ばれます。

以下の14種類に該当するのであれば、物質名を記載する代わりに一括名を記載することができます。

  • イーストフード イースト(パン酵母)の栄養源です。
  • ガムベース チューインガムの基材です。
  • かんすい 中華めんの製造に用います。独特の風味や感触を作り出します。
  • 酵素 糖の分解、食品生地の品質改良、食品の老化防止など様々に用途があります。
  • 光沢剤 艶を与えます。
  • 香料 香りをつけます。
  • 酸味料 酸味をつけます。
  • 軟化剤 チューインガムの柔らかさを保ちます。
  • 調味料 味の増強、味をととのえます。
  • 豆腐用凝固剤 豆乳を固めます。
  • 苦味料 苦味をつけます。
  • 乳化剤 水と油など混ざり合わないものを均一に混ざった状態にします。
  • pH調整剤(水素イオン濃度調整剤) 水素イオン濃度を調整します。
  • 膨張剤 ガスを発生させて食品を膨張させます。

添加物にはどのような種類があるのかを知るには、上記した用途名や一括名を見て、使用目的から把握するのがわかりやすいでしょう。

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