食品の表示で「調味料(アミノ酸等)」と書かれているのを見たときに、調味料もアミノ酸もわかるけど「等」とは何のことかと疑問に思ったことはないでしょうか。
「等」と書かれているくらいですから、何かが省略されていそうです。この記事では、「調味料(アミノ酸等)」の意味と表示ルールについて解説をします。
調味料(アミノ酸等)が意味すること
「調味料(アミノ酸等)」は、次の3つのことを示しています。
- アミノ酸に属する物質を調味料として使っていること
- アミノ酸とは別の種類の物質も一つ以上使っていること
- アミノ酸の使用量が多く、別の種類の物質のほうが使用量が少ないこと
です。
「調味料」は用途名、「アミノ酸」は物質名です。食品添加物の一部は、このように「用途名+物質名」で記載をすることになっています。
調味料(物質名)の表示ルール
食品添加物としての調味料には4種のグループがあります。アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩です。
表示をする際には、調味料の後にカッコ書きでグループ名を記載することになっています。それぞれ以下のようになります。
- アミノ酸を使用した場合 → 調味料(アミノ酸)
- 核酸を使用した場合 → 調味料(核酸)
- 有機酸を使用した場合 → 調味料(有機酸)
- 無機塩を使用した場合 → 調味料(無機塩)
たとえば、L-グルタミン酸ナトリウムは、アミノ酸に属する調味料です。この物質を使った場合には、調味料(アミノ酸)と表示します。
5′-イノシン酸二ナトリウムは、核酸に属する調味料です。この物質を使った場合には、調味料(核酸)と表示します。
「等」の表示ルール
そして、アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩のうち2種類以上を使用する場合は、使用量が多いグループの名前を書き、それに「等」を付け足して表示をします。たとえば、
- 配合の80%が、アミノ酸に属するL-グルタミン酸ナトリウム
- 配合の20%が、核酸に属する5′-イノシン酸二ナトリウム
である場合、2種類を使用していて、主としてアミノ酸を用いていますから、「調味料(アミノ酸等)」と表示をします。
同じグループの物質であれば、「等」は表示されません。
調味料(アミノ酸)と表示されいて「等」が無い場合、物質は1種類かもしれませんが、複数のアミノ酸に属する物質の組み合わせもありえます。
「調味料(アミノ酸等)」は詳細が不明
実際に表示された「調味料(アミノ酸等)」という文字を見たとき、そこからは詳細を読みとることはできません。
主にアミノ酸が使われており、その他に核酸、有機酸、無機塩のうちのどれか、または2種類か3種類が使われていることはわかります。しかし、アミノ酸以外に何が使われているのかは表示から読み取ることはできません。
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