サケは白身魚なのに身が赤い理由

食品の知識

身が赤い魚は「赤身魚」、身が白い魚は「白身魚」と呼ばれます。

赤身の魚は回遊魚に多く、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、イワシなど。

白身の魚は、ヒラメ、カレイ、タイ、フグなどです。

サケはもともと白身魚に分類されています。それなのにサーモンピンクと呼ばれるきれいな赤い身であるのはなぜでしょうか?

その理由は、サケが捕食するオキアミ類がもつ「アスタキサンチン」という赤い色素によって、身が赤くなるためです。

サケは川で生まれた後、海へ行き、海で育ちます。オキアミ類などのプランクトンを食べます。オキアミ類がもつアスタキサンチンという色素も摂取することになります。その影響で、サケの筋肉組織が赤く染められ、身が赤くなるのです。

サケの身は稚魚のときには白いのですが、プランクトンであるオキアミ類を捕食しアスタキサンチンを摂取するにしたがって身が赤くなっていきます。サケの卵であるイクラの色が赤いのも、アスタキサンチンに由来しています。

オキアミ類がアスタキサンチンを有するのは、自ら生成しているわけでなく、オキアミ類が食するヘマトコッカスなどの藻類の影響です。

アスタキサンチンを生成できる生物は、ヘマトコッカスなどの藻類です。それをオキアミ類が食べることで、アスタキサンチンを有するようになります。

ちなみに、エビやカニを調理すると赤い鮮やかな色になるのも、アスタキサンチンによるものです。

アスタキサンチンを生成するヘマトコッカスなどの藻類をプランクトンが食べ、そのプランクトンをエビやカニが捕食します。エビやカニの体内にはアスタキサンチンが蓄積していきます。

加熱調理することでアスタキサンチンの赤色が出現します。

参考:境磨(国際水産資源研究所 くろまぐろ資源部)”サケは海で何を食べているのでしょう?”

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