薄力粉・中力粉・準強力粉・強力粉の違いは何?

食品の知識

薄力粉・中力粉・準強力粉・強力粉の違いは、小麦粉に含まれるタンパク質の量の違いです。あるいは小麦粉に水を加えて練り上げたときのグルテン量の違いです。

小麦粉の分類方法の一つとして、「水を加えて練り合わせたときにどのくらいコシのある生地になるか、どのくらい粘弾性を持った生地になるか」を基準とする方法があります。

タンパク質の含有量の違い

タンパク質の含有割合はおおよそ次の通りです。

  • 薄力粉・・・7.0~8.5%
  • 中力粉・・・8.5~10.5%
  • 準強力粉・・・10.5~11.5%
  • 強力粉・・・11.5~13.5%

文部科学省”食品成分データベース”には、タンパク質の含有量は次のようになっています。※実施は100g中何gか記載されています。

  • 薄力粉(1等) 8.3%
  • 薄力粉(2等) 9.3%
  • 中力粉(1等) 9.0%
  • 中力粉(2等) 9.7%
  • 強力粉(1等) 11.8%
  • 強力粉(2等) 12.6%

1等、2等というのは等級を示しています。等級とは、小麦粉を純度で分類するもので、特等級、1等級、2等級、3等級の順番で純度が高く、等級が低くなると外皮の混入が多い小麦粉となります。

1等級よりも2等級のほうがタンパク質が多くなっています。

粘弾性の違い

タンパク質が多いと、グルテンが形成されやすくなり粘弾性を持つ物質になります。

粘弾性とは粘着性と弾力性が合わさった性質です。

小麦粉に水を加えて混ぜることでできるものがグルテン。グルテンが粘弾性を持つ物質です。

小麦粉には2種類のたんぱく質が含まれています。弾力性があるグルテニンと、粘着力があり伸びやすいグリアジンです。これらが絡みあって両方の特徴を備えたグルテンが形成され、弾力と粘り気のある生地ができあがります。

粘弾性が弱いほうから、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉となっています。

  • 薄力粉・・・粘弾性が弱い
  • 中力粉・・・粘弾性がやや弱い
  • 準強力粉・・・粘弾性がやや強い
  • 強力粉・・・粘弾性が強い

粉の種類によって粘弾性が変わるのは、タンパク質の含有量が粉の種類によって異なっているためで、薄力粉と強力粉では、そもそも原材料とする小麦の種類が異なっています。

粒子の違い

薄力粉は軟質の小麦からつくられている粒子が細かい小麦粉。強力粉は硬質の小麦からつくられていて粒子が粗くサラサラした性質を持っています。

  • 薄力粉・・・細かい粒子
  • 中力粉・・・やや細かい粒子
  • 準強力粉・・・やや粗い粒子
  • 強力粉・・・粗い粒子

強力粉・準強力粉・中力粉・薄力粉の用途

薄力粉でつくった生地の中にはグルテンが少ないので、やわらかく粘弾性の弱い生地になります。菓子・ケーキに利用されます。

一方、強力粉でつくった生地の中にはグルテンが多いので、粘弾性の強い生地になります。パンに利用されます。

  • 薄力粉・・・菓子・ケーキ、てんぷら
  • 中力粉・・・うどん
  • 準強力粉・・・パン(ハード系)、中華麺
  • 強力粉・・・パン

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