ブリックス(Brix)と糖度の関係

食品の知識

果物、果物を用いたジャムなどでブリックス(Brix)を用いることがよくあります。

ブリックス(Brix)の値が高ければ、糖度がたかくて、つまりより甘い果物のように思えますが、実がそうとも言いきれません。

この記事では、ブリックス(Brix)と糖度の関係について解説します。

ブリックス(Brix)と糖度の意味

ブリックス(Brix)とは、光の屈折現象を利用した糖度計によって百分率(%)で示される値のことです。ブリックス値といいます。

糖度計は光の屈折現象を利用します。その屈折率から、対象品のなかにどれだけの可溶性固形分が溶け込んでいるのかを百分率で示すものです。糖の濃度が高くなると屈折率も上昇します。

一方、糖度とは、ショ糖がどれだけ溶け込んでいるのかを示すものです。※ショ糖とはブドウ糖と果糖で構成されるもので、砂糖の主成分です。

必ずしもブリックス(Brix)=糖度ではない

溶け込んでいるものがショ糖だけの場合であれば、糖度計で測定したブリックス(Brix)=糖度となります。

ショ糖以外の糖がある場合でも、ブリックス(Brix)と糖度は近い値を示します。

果物や果汁、ジャムに溶け込んでいるもので屈折率に影響を与える成分は、ほとんど糖分です。そのため、ブリックス(Brix)と糖度が近い値になります。ブリックス(Brix)=糖度のように扱われます。

しかし、糖以外の塩類やタンパク質も光の屈折率に影響を与えるため、ブリックス(Brix)が高くなります。

たとえば、食塩が溶け込んだ水もブリックス(Brix)が示されます。むしろ同じ濃度であれば、ショ糖が溶け込んだ水よりも、食塩が溶け込んだ水のほうがブリックス(Brix)が高くなります。

ですから、ブリックス(Brix)の値が高ければ、糖分があって甘いという意味ではないですし、糖度計というより濃度計というほうがしっくりきます。

果物を測定する場合、たとえばクエン酸を含む果物であれば、その分もブリックス値が高くなる要素です。ショ糖のみの測定はできず、ブリックス(Brix)は可溶性固形分の濃度を示すことになります。

スープのように色々な成分が溶け込んでいるものも、ブリックス(Brix)は可溶性固形分の濃度を示します。

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