食品表示の植物油脂とは?

食品の知識

食品の一括表示の原材料名欄で、「植物油脂」または「食用植物油脂」と記載されているのを見たことはありますか?

植物油脂とは、その名前のとおり植物からとった油ですが、種類は様々にあります。

オリーブ油、なたね油、ごま油など単一の油の食品は、何の原材料から作られたのかがわかります。

しかし、食品の中の原材料として使われる植物油脂は様々です。食品の一括表示の原材料名を見ると、植物油脂と記載されているのは多いです。マーガリン、インスタントラーメン(の麺を揚げる油として使用)、バターピーナッツなど様々なものに使用されています。

「植物油脂」という名前からは、どの植物油脂を使用しているのかは、わかりません。

食品中にいくつかの植物油脂が含まれていて、それらを植物油脂とまとめて表示しているのかもしれません。

農林水産省”食用植物油脂の日本農林規格”に記載されているものは、食用大豆油、食用とうもろこし油、食用ごま油、食用なたね油、食用オリーブ油などがあります。

生産・消費量が多い植物油脂は?

世界で多く生産・消費されている植物油脂は、

  • パーム油
  • 大豆油
  • なたね油

などです。

パーム油が最も生産・消費されており、次いで、大豆油、なたね油と続きます。

スーパーで売られていて、みなさんがよく見かけて手にとる家庭用の油は、なたね油や大豆油、とうもろこし油、オリーブ油、ごま油が多いですよね。

パーム油の商品は、スーパーなどの消費者が買い物できるような場所ではあまり見かけません。

では、どこで使用されているかというと、食品会社が製造する食品の原材料として使用される場合が多いです。

たとえば、マーガリンやショートニングなどの油脂製品の原材料によく使われます。また、チョコレート系の製品に配合したり、カップラーメンなど揚げ物の油として使われています。

食品以外では、洗剤、シャンプーや石っけんの原材料として利用されています。

植物の油を搾る方法

植物油脂の製造工程は、原材料の油をとり、脱色、ろ過などの調整を行い、容器に充填・包装されるというものです。

油を搾る方法としては、

  • 圧搾法
  • 抽出法
  • 圧抽法

があります。

圧搾法は、原材料に圧力をかけて油を搾りとります。物理的なやり方です。なたね、ごまなどに用いる方法です。

抽出法は、原材料に溶剤(食品添加物)を加え、原材料のなか油分を溶剤に溶かし出した後、溶剤を揮発させて油をとる方法です。油分が少ない原材料に対して用います。

圧抽法は、圧搾法と抽出法を併用したものです。圧搾法では、原料中に油が少々残ります。その残りの油をとるために圧搾法の後に抽出法を用います。

植物油脂とその原材料の一覧

植物の果肉からとるもの、種からとるもの、副産物からとるものがあります。

食用サフラワー油

サフラワーの種子から取った油です。サフラワーは別名ベニバナです。

食用ぶどう油

ぶどうの種子から取った油です。

食用大豆油

大豆からとった油です。

食用ひまわり油

ひまわりの種子から取った油です。

食用とうもろこし油

とうもろこしのはい芽から取った油です。

食用綿実油

綿の種子から取った油です。

食用ごま油

ごまから取った油です。

食用なたね油

あぶらな又はからしなの種子から取った油です。

食用こめ油

米ぬかから取った油です。米ぬかは、玄米を精米をしたときにできる副産物ですね。

食用落花生油

落花生から取った油です。

食用オリーブ油

オリーブの果肉から取った油です。

食用パーム油

パームの果肉から取った油です。

食用パーム核油

パーム核から採取した油です。

食用やし油

コプラから採取した油です。

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