こいくち醤油の特徴
- 色味が薄く醤油
- 塩分濃度が高い
- すっきりとした味わい
さっぱりと仕上げたい料理に使用します。
醤油で味付けはしたいけれども、素材の色をきれいに仕上げる場合や、汁物を透き通った仕上がりにする場合など、あまり色をつけたくない料理に適しています。
たとえば、お吸い物、だし巻き卵、茶碗蒸し、おでんなどです。
うすくち醤油
- 色味が濃い醤油
- 塩分濃度が低い
- 風味やコクがある濃厚な味
しっかりとした味、コクを出したい料理、できあがりの色合いが濃くなってもよい料理に適しています。
たとえば、煮物、佃煮、すき焼き、照り焼きなどです。
濃い・薄いは色を表している
こいくち醤油、うすくち醤油の”濃い”・”薄い”が表しているものは、醤油の色です。
勘違いしてしまいやすいのが、うすくち醤油のほうが塩分が控えめなのでは?ということ。
しかし実際は、塩分濃度は名前の逆になっています。
うすくち醤油のほうが塩分濃度が高く、こいくち醤油のほうが塩分濃度が低いです。
うすくち醤油のほうが塩分濃度が高い理由
色を薄くするために食塩を多く用いるから
醤油の製造工程で塩を多く使用すると、熟成して色が濃くなるのを抑制することができます。
薄口醤油は、色を薄くするために塩を多く用いています。塩分濃度が高くて色が薄い醤油となっているわけです。
醤油の製造工程は次のようになっています。
醤油の製造工程
①大豆や小麦などの原材料の処理
大豆は蒸して、小麦粉は炒って砕きます。
②麹づくり
麹とは、蒸した大豆などに麹菌を付着させ、繁殖しやすい温度・湿度で培養したものです。
麹菌が繁殖しやすい温度・湿度を調整・管理するのが職人の仕事です。
③発酵・熟成
麹と塩を合わせたものが諸味です。
麹菌の働きによって、大豆のタンパク質がアミノ酸に、小麦粉のでんぷんがブドウ糖に変化します。
④圧搾
布に入れて搾ります。
⑤火入れ
搾った生揚醤油を加熱し、微生物を失活させ、色を整えて香りづけします。
こいくち醤油、うすくち醤油の定義
こいくち醤油、うすくち醤油の定義は次のようになっています。
・こいくちしょうゆ
しょうゆのうち、大豆にほぼ等量の麦を加えたもの又はこれに米等の穀類を加えたものをしょうゆこうじの原料とするものをいう。
・うすくちしょうゆ
しょうゆのうち、大豆にほぼ等量の麦を加えたもの又はこれに米等の穀類若しくは小麦グルテンを加えたものをしょうゆこうじの原料とし、かつ、もろみは米を蒸し、若しくは膨化したもの又はこれをこうじ菌により糖化したものを加えたもの又は加えないものを使用するもので、製造工程において色沢の濃化を抑制したものをいう。
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