そばの原材料はそば粉100%ではなく、小麦粉も含まれることが多い

食品の知識

スーパーで、そばの一括表示の原材料名を見てみると、そば粉だけでなく、小麦粉も使われていることがほとんどです。

中には、そば粉よりも小麦粉の配合割合のほうが多いものもあります。

私は、はじめてこれに気がついたときにはびっくりしたこと覚えています。

そば粉が少なくても”そば”と言うことができる

そばには、生のそばと、乾燥をさせた干しそばがあります。

  • 生めんのそば
  • 干しそば

で表示方法が少し違っています。

生めんのそばの場合は、30%以上のものを”そば”と表示することができ、30%未満になると”そば”と言うことができなくなります。

干しそばは、そば粉の割合がいくら少なくても、”そば”と表示してよいことになっています。決められているルールは、30%未満の場合は配合割合を表示しなくてはならない、ということです。

そばには、もともとそば粉以外に、つなぎとして小麦粉や山芋などが配合されることが多いです。

そば粉とつなぎの配合割合によって名前がつけられています。

  • 十割そば・・・そば粉の割合が10割
  • 九割そば・・・そば粉9割、小麦粉1割
  • 二八そば・・・そば粉8割、小麦粉2割

といった具合です。

そば粉の配合割合が少ない場合は、表示をする

そば粉の配合割合が30%未満の場合には、実際の配合割合を上回らない数字で、配合割合を表示することとなっています。

2割、20%等の表示がなされます。

10%未満の場合は、1割未満、10%未満と表示をします。

もしくは、商品名の近くにそば粉の配合割合を表示します。

そば粉の割合というのは、そば粉と食塩以外のその他の原材料(小麦粉など)のうちで、そば粉の割合のことです。

そば粉の配合割合(%)は、そば粉÷(小麦粉+そば粉+食塩水以外のその他原材料(デンプン、グルテン等))

名称干しそば
原材料名小麦粉(国内製造)、そば粉、食塩
そば粉の配合割合20%
内容量200g
賞味期限枠外上部に記載
・・・・・・
干しそばの表示

そば粉の配合割合が30%未満の場合に配合割合の表示義務がありますが、30%以上の場合は表示義務はありません。

名称干しそば
原材料名そば粉(国内製造)、小麦粉、食塩
内容量200g
賞味期限枠外上部に記載
・・・・・・
干しそばの表示

配合割合がなにも表示されていない場合は、そば粉の割合が30%以上であることはわかります。

また、原材料名は、配合割合の多い順に記載されますので、主原材料がそば粉と小麦粉の2つであった場合には、より上位に表示されているほうが配合割合が多いことがわかります。

「そば粉、小麦粉、食塩」と書かれていれば、食塩を除くと、そば粉は50%以上であることがわかります。

参考:食品表示基準(平成二十七年内閣府令第十号)

小麦粉を配合する理由

つなぎの役割

そば粉には粘り気のある成分が少ないです。そば粉につなぎを加えることで、そばが切れにくく、打ちやすくなります。

そば粉に小麦粉を合わせて、そばをつくることは古くから行われていること。

つなぎとして用いられるものは、小麦粉が多いです。小麦粉の他には、山芋、卵などがあります。

そば粉になくて小麦粉にあるものはグルテンです。

小麦粉に水を加えて混ぜることでできるものがグルテンであり、グルテンを活用した食品の代表例がパンですね。

小麦粉には2種類のたんぱく質が含まれています。弾力性があるグルテニンと、粘着力があり伸びやすいグリアジンです。これらが絡みあって両方の特徴を備えたグルテンが形成され、弾力と粘り気のある生地ができあがります。

その生地中のイーストが発生させるガスで生地を膨らませ、最後に焼き上げればパンになります。

喉越しがよくなる

小麦粉を加えることによって、そばの風味がありながらも、つるっとした喉越しを持つそばをつくることができます。

小麦粉のほうが安い

店舗で売られていた干しそばの値段とその原材料のそば粉の割合を見てみると、そば粉の割合が多いほど値段が高く、そば粉の割合が少なく小麦粉の割合が多いほど値段が安くなっていました。

そば粉の割合内容量価格(税抜)1gあたりの
価格(税抜)
10割200 g288 円1.44 円
8割250 g278 円1.11 円
5割以上340 g288 円0.85 円
1割220 g98 円0.45 円

特別な製造方法を用いているのではなく、製造方法が変わらないとすれば、原材料が安くほうが製品の値段も安くなるはずです。一般的にはそば粉よりも小麦粉のほうが安価です。

つなぎとして小麦粉を使うのであれば、そば粉が主な原材料であり、小麦粉は副原材料であるはずです。

そば粉の割合が少ないものをそばと呼んでよいのかは疑問です。ただ、小麦粉を配合することが悪いわけではなく、安くておいしいそばも求められていて、そば粉の割合をわかるようにしていれば問題のあることではないでしょう。

そばを選んで買うときには、商品名や包装の一括表示などを見ると、そばの配合割合を少なくとも大まかには知ることができます。

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