日本は軟水で、ヨーロッパは硬水といったことを聞いたことがあるかと思います。
軟水、硬水。軟らかい水と硬い水。具体的にはどういったことなのかを解説します。
硬度で決まる軟水・硬水
軟水か硬水なのかは、硬度の値が高いがどうかで決まります。
- 硬水は、硬度の高い水
- 軟水は、硬度の低い水
です。
カルシウムイオンとマグネシウムイオンが多い水が硬水で、少ない水が軟水です。
硬度とは?
硬度とは、水の中に含まれているカルシウムとマグネシウムの合計量を炭酸カルシウムに換算したものです。
硬度=(カルシウム量×2.5)+(マグネシウム量×4.1)の式で計算できます。
硬度[mg/l]=(カルシウム量[mg/l] × 2.5)+(マグネシウム量[mg/l] × 4.1)
この硬度の高い水が「硬水」、低い水が「軟水」です。
カシオ計算機のWEBサイトで計算することができます。
硬度は、軟水と硬水を分ける基準として用いられます。硬度を分類するにはいろいろな基準がありますが、世界保健機構(WHO)の基準を簡単に書くと
- 硬度120mg/L未満が軟水
- 硬度120mg/L以上が硬水
とされています。
WHOのガイドラインでは、正確には、 硬度60mg/L未満を「軟水」 60から120mg/L未満を「中程度の軟水」 120から180mg/L未満を「硬水」 180mg/L以上を「非常な硬水」 と分類されています。 |
参考:食品安全委員会“カルシウム・ マグネシウム等 (硬度)”
日本は軟水、ヨーロッパは硬水
食品安全委員会の“清涼飲料水評価書 カルシウム・マグネシウム等(硬度)”にまとめられた情報では、日本のナチュラルミネラルウォーターの硬度は、平均64.3mg/L 程度となっています。
一方、外国産のナチュラルミネラルウォーターの硬度は、平均194.9mg/L となっています。
水道水の硬度も日本は軟水であり、2020年度(2020年4月~2021年3月)の東京都八王子市の暁町浄水所の硬度の情報を見ると、平均59.2mg/L となっていました。
日本の水の多くは軟水であり、ヨーロッパの水は硬水が多くなっています。
軟水と硬水の違い
硬度は水の味にも影響し、高度が高い水は口に残る味があるとされ、低すぎるとコクがないとされています。
軟水の特徴
軟水は味があっさりしてクセがない、口当たりがよい
昆布やかつおだしのグルタミン酸などのうまみ成分を引き出す効果があり、日本食に適していると言われています。また、日本茶、紅茶、ウイスキーなどの香りを引き出す効果があるとされています。
硬水の特徴
硬水は水の苦味や渋みなどの独特なクセがあります。
肉の臭みを抑え、アクを取りやすくする効果があり、シチューなどの洋風料理に適していると言われています。
飲食に関することではないですが、硬水は石鹸を泡立てにくいです。泡立てるのに多くの石鹸を必要とします。
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