無果汁の飲料であるのにレモンやオレンジなど果物の名前がついていて、飲んだらその味がするのはなぜでしょうか?
それから表示の原材料名を見ると、レモン果汁やオレンジ果汁と書かれているのはなぜでしょうか?
それは無果汁という表示のルールを知ればわかります。
この記事では、無果汁の飲料なのに果物の味がする理由、そして表示の原材料名に果汁と書かれている理由について解説します。
無果汁の飲料なのに果物の味がするのはなぜ?
果物名が商品名に入っていて、飲んだらその味もする。それなのに実際に果汁が使われていないことがあります。
果汁が使われていないのに、その果物の味がする理由は、
- 少量の果汁が入っているから
- 果汁は入っていないが果物のエキスが入っているから
- 酸味料や香料が入っているから
です。
少量の果汁が入っている
無果汁と表示している場合であっても、少量の果汁が入っている場合があります。
果汁を入れていても、その使用割合が5%未満であれば、無果汁と表示するか、または果汁○○%とはっきりと数字で表示することになっています。
そこに、酸味料で酸味をつけ、また香料で香りをつけることで、より果物の風味が感じられます。
果物のエキスが入っている
果汁は入っていないですが、果物のエキスが入っている場合もあります。
果物から抽出したエキスは果汁ではないので、飲料は無果汁ということになります。
さらに、酸味料で酸味をつけ、また香料で香りをつけることで、より果物の風味が感じられるようになります。
たとえば「いろはす みかん」には、果汁は入っていませんが、みかんから抽出したエキスが入っています。また酸味料と香料も加えられてます。
エキスは果汁ではない
果物の名前を冠した飲料には、オレンジエキスやレモンエキスといった果物のエキスが入ってる場合があります。
果物のエキスと果汁は異なります。
エキスは果物からエタノールを利用するなどして抽出した成分のことで、果汁は単に果実を絞るなどして得られた汁のことです。
無果汁の飲料なのに、原材料名に果汁が書かれている理由
無果汁と表示されている飲料なのに、その原材料名を見ると果汁を書かれていることがあります。
まず、当たり前ですが果汁を含まない飲料は、無果汁と表示をすることになっています。
次に上記したように、果汁の使用割合が5%未満のものは「無果汁」と表示することになっています。もしくは、「果汁○○%」と数字を表示します。
参考:公正取引委員会”無果汁の清涼飲料水等についての表示”(昭和48年3月20日)
参考:「無果汁の清涼飲料水等についての表示」に関する運用基準について
ですから、無果汁の飲料があったら、それは実際に無果汁か、5%未満の果汁が使用されているかのどちらかです。
原材料名に果汁と書かれているのでしたら、5%未満の果汁は使用しているのですが無果汁という表示をすることを選んでいるということです。
たとえば清涼飲料水のポカリスエットの表示には原材料に果汁と記載されておりますが、無果汁の表示がされている飲料です。
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