賞味期限が書かれない食品がある理由(違法ではありません)

食品表示

賞味期限とは、品質が劣化せずにおいしく食べることができる期限のことです。

消費期限とは、腐敗等の品質劣化がせず、安全に食べることができる期限のことです。

食品には基本的に賞味期限または消費期限が表示されますが、次に記載する食品は賞味期限・消費期限の表示を省略することができます。

  • でん粉
  • チューインガム
  • 冷菓
  • 砂糖
  • アイスクリーム類
  • 食塩及び、うま味調味料
  • 酒類
  • 飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓をつけたものを除く。)又はポリエチレン製容器入りのものに限る。)

賞味期限が表示されていない食品を目にして、「なぜ期限の表示が書かれていないの?」と思ったことがあるでしょうか?

その食品はこれらに該当するのではないかと思います。

品質の劣化が極めて少ないものであるという理由で、期限の表示を省略することができます。これは、食品表示基準という食品表示に関するルールに決められていることです。

参考:食品表示基準(平成二十七年内閣府令第十号)

でん粉

品質の劣化が少ない食品として、期限の表示を省略することができます。

チューインガム

ガムは、水分が非常に少ないので、常温で保管されていれば品質の変化がほとんどありません。

参考:チューインガムの表示に関する公正競争規約及び施行規則

冷菓

冷たい菓子の総称と思われますが、法的に定められた定義は見当たりませんでした。

砂糖

高度に精製されていて、不純物がなく、ずっと保管していても品質の劣化がほとんどありません。

食塩と同じように賞味期限の表示を省略することができます。

アイスクリーム類

アイスクリームは冷凍保存をする食品で、品質の変化が少ないといえるでしょう。

ただし、冷凍(-18℃以下)で保存される場合です。温度が高くて溶けてしまったりすると、品質に変化が起きてしまいます。

事業者が自主的に設定する業界ルールとして、公正競争規約があります。

アイスクリームに関する公正競争規約に、賞味期限を省略する場合は保存上の注意についてを記載するよう定められています。8ポイント以上の大きさの活字で「ご家庭では-18℃以下で保存して下さい。」等記載をします。

参考:アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約と公正競争規約施行規則

食塩及び、うま味調味料

食塩、うま味調味料もほとんど品質劣化が見られない食品です。

食塩の公正競争規約には、以下の表示をしなくてはならない、と書かれています。

(1) 名称
(2) 原材料名
(3) 添加物
(4) 原料原産地
(5) 内容量
(6) 原産国名
(7) 製造者等の氏名又は名称及び住所

賞味期限や保存方法については、「表示しなくてはならない」とは書かれておらず、「表示することができる」と書かれています。表示の義務があるわけではないようですね。

(5) 賞味期限及び保存方法については、食品表示基準に基づき、様式中に表示することができる。

参考:食用塩公正競争規約/施行規則

酒類

腐敗するようなものではありませんね。酒の種類によっては何年も熟成させるようなものもあります。

飲料水及び清涼飲料水

飲料水及び清涼飲料水で、ガラス瓶入りのもの(紙栓をつけたものを除く。)又はポリエチレン製容器入りのものは、賞味期限の表示を省略することができます。

冷凍(-18℃以下)で保存されているのであれば、品質の変化は少ないでしょう。

保管温度には注意する

冷凍保存するものがとくにそうですが、保管温度によっては品質に変化が出ることが考えられますので、保管には注意が必要です。

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