賞味期限・消費期限が切れてしまった食品があったときに、まだ食べられそうなものを捨てるのはもったいないですよね。
少しくらい期限を過ぎただけなら食べてしまおうか、でも食べて大丈夫かな?と悩む場合もあるでしょう。
この記事では、賞味期限・消費期限を過ぎた食品は食べても大丈夫なのか、どう判断すべきなのかについて説明をしていきます。
賞味期限と消費期限の違い
まず最初に理解しておくことは、賞味期限と消費期限の違いについてです。
食品には賞味期限か消費期限を表示することが義務付けられています。食品表示の期限を見てみると、賞味期限と書かれている食品、消費期限と書かれている食品があるはずです。
賞味期限と消費期限の意味、その違いは次のようになります。
賞味期限
賞味期限とは、食品表示に記載された保存方法を守って保存した場合に、品質が劣化せずにおいしく食べることができる期限のことです。
たとえば、缶詰、レトルト食品、乾麺などに設定されます。
消費期限よりも、腐敗しにくく、痛みにくい食品に対して、賞味期限が設定されます。
消費期限
消費期限とは、食品表示に記載された保存方法を守って保存した場合に、品質の劣化に伴って安全性に問題が発生しない期限、安全に食べることができる期限のことです。
たとえば、弁当や総菜、生菓子、食肉などに設定されます。
賞味期限と消費期限の違い
簡単にまとめると以下の表のようになります。
賞味期限 | 消費期限 | |
---|---|---|
意味 | おいしく食べることができる期限 | 安全に食べることができる期限 |
期限が切れた食品の扱い | 期限を過ぎた食品は食べられないわけではない | 期限を過ぎた食品は安全ではないので食べないこと |
賞味期限は、期限を過ぎたからといってすぐにその食品が食べられなくなるわけではありません。
たとえば、缶詰や乾麺などもともと半年間や1年間、長ければ数年間の期限が設定されているのですから、期限を1日、2日程度過ぎただけで急に食べられなくなることはなさそうですよね。
消費者庁の”食品表示基準Q&A”には次のように書かれています。
「賞味期限」とは、定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のことであり、「賞味期限」を過ぎた食品であっても、必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありません。
また、それぞれの食品が食べられるかどうかについては、その見た目や臭い等により、五感で個別に食べられるかどうかを消費者自身が判断し、調理法を工夫することなどにより、食品の無駄な廃棄を減らしていくことも重要です。
出典:消費者庁 食品表示企画課 ”食品表示基準Q&A”(最終改正 令和3年3月17日消食表第115号)
賞味期限が切れたものであっても、見た目や臭いなどから食べられるかどうか判断しましょう、食べられるなら食べましょうということですね。
一方、消費期限は、その期限が切れてしまったら、食べるのはやめるべきです。
もともと、あまり日持ちしない食品に対して設定されている期限ですので、期限を数日過ぎただけで食品の劣化が進む可能性があります。
消費期限が今日1日の洋生菓子があったとしましょう。それを期限を過ぎて1日、2日と保管しておいたら、劣化が進んでしまうでしょう。
消費者庁の”食品表示基準Q&A”には次のように書かれています。
「消費期限」とは、定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質(状態)の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日のことであり、「消費期限」を過ぎた食品は食べないでください。
出典:消費者庁 食品表示企画課 ”食品表示基準Q&A”(最終改正 令和3年3月17日消食表第115号)
消費期限を過ぎた食品は食べないでください、とはっきり書かれています。
賞味期限が切れても食べられるかどうか判断するときの材料
保存方法を守っているかどうかに注意する
賞味期限と消費期限は、保存方法に記載された方法で適切に保存されていた場合に有効な期限です。
保存方法の欄に「冷蔵10℃以下で保存してください」と記載してあるのに、室内の常温で保管していたら、期限までは日持ちしない可能性が高いです。
未開封・開封済なのかに注意する
また、包装を開けておらず未開封の状態なのか、開封してしまった状態なのかによっても、どれだけ日持ちするかが変わることが多いです。
賞味期限や消費期限は、基本的には包装が未開封のときの期限です。
包装の中に品質保持剤が入っている食品はとくに注意です。包装内の酸素を無くす効果がある”脱酸素剤”が入っているとしましょう。脱酸素剤は、ケーキ類、米菓類、切り餅などに入っているものです。”食べられません”と書かれいる小さい袋を見たことがあると思います。それが脱酸素剤やアルコール蒸散剤などの品質保持剤です。
酸素が無ければ、酸素を必要とする細菌が増殖できなくなりますし、カビも発生しません。
ですが、包装を開封してしまうと、当然ながら酸素が包装内に入ってしまい脱酸素効果が無くなるので、細菌が増殖しやすくなってしまいますし、食品によってはカビも生える可能性があります。
未開封状態なのか、開封済の状態なのかによっても、どれだけ日持ちするかが変わってくるので、賞味期限切れの食品を食べられるかどうか判断する材料となります。
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